日本経済復活の会
借金時計 News 没落する日本経済 政府との質疑応答 国会議員等 書籍
参考論文・記事等 論文 連絡先 次回定例会 過去の定例会 リンク ***
会長のブログ シンポジウム2004 ノーベル経済学賞受賞者からの手紙 会長プロフィール
活動
米国財務省を訪問
日本経済復活の会会長 小野盛司
 日本経済復活の会では、会が行ったシミュレーションを説明し、積極財政の必要性を訴える手紙を米国のスノー財務長官に送りました。約3週間後にその返事が担当官Loevinger氏より来ました。その内容は、シミュレーションの必要性を理解し我々の考えを支持するというものでした。私は、米国財務省に電話し、もっと詳しく説明したいので面会をお願いしたいと申し入れました。彼は私の滞在期間は海外出張中であり、無理でしたが、秘書の方がDohner氏と会うように勧めてくれました。Dohner氏も世界銀行関連の仕事で忙しく時間調整が大変でした。当初、5月2日11:00からという提案があり、それは私の都合がつかないと言うと、それでは4月29日10:30ということになりました。他の予定をキャンセルして時間を取って下さったのではないかと思います。
 Dohner氏の肩書きは Director of the Office of East Asian Nations です。
 面会時間は約40分間、彼もよく日本経済を勉強しているなという印象を受けました。沢山質問してくれたので、話しやすかったと思います。終始好意的で、これだけのことが分かっていながら、なぜ日本政府は財政を拡大しないのかと言っておられたのが印象的でした。
 一応会話の内容を以下に書きます。
米国財務省訪問
 4月29日10:30財務省を訪問した。話をしたのは以下の二人。
 Mr. Dohner: Director of the office of East Asian Nations
 Ms. Leilee Moghtader: 秘書
 Dohner氏は、Attache(大使館員?)として日本に4年間いたことがあるとのこと。
以下、会話の内容をまとめる。
 最初、私が復活の会やそのメンバーや日経NEEDSなどによるシミュレーション、日本経済の現状の説明を行い様々な書類を渡した。Dohner氏は日経NEEDSのシミュレーションはよく知っておられ、日経新聞社がどの程度情報を開示してくれたのかについてまで質問をしておられました。
Ono: 昨年、復活の会でシンポジウムを行い、この本を出版しました。
Dohner: 知った人の顔が並んでいる。クー氏は良く知っている。
Ono: Bernanke教授の論文は極めて重要で、我々の考えと完全に一致している。
(特に重要なポイントを説明)
Dohner: その論文は読んだことがあるが、内容はよく覚えていない。
Ono: 財政拡大で日本の経済は極めて良い状態になる。
(シミュレーションを詳しく説明)
Dohner: そうなんですか。これで一挙解決じゃあないですか。
Ono: そうです。
Dohner: どうして日本政府はやらないのですか。
Ono: 財政規律を考えています。財政を拡大するとハイパーインフレになると考えています。
Dohner: インフレ率は計算しましたか。
Ono: (インフレ率のグラフを示した。)
Dohner: 2から4%のインフレ率にするには相当の財政支出が必要ですね。ハイパワードマネーが2倍になりますね。
Ono: 国債は発行しますが、ハイパワードマネーは増やしません。米国は日本が構造改革をやれば、日本の景気刺激となると考えているのですか。
Dohner: 我々は日本がアグレッシブな金融政策を取れば日本経済が良くなると考えています。
Ono: 金融は役に立ちません。ゼロ金利が続いています。それ以下に下げようがありません。量的緩和も銀行の貸し出しが減少し続けている現状では効果がありません。これは資産デフレのためです。
(貸し出しが減少しているグラフを示した)
日本ではお金を借りようとすると担保を求められます。担保価値が下がっていると借りることができる金額が減ってきます。さらに企業のバランスシートも悪化しており、貸し出しが減っており、これでは金融政策が役に立ちません。
Dohner: 財政と金融の協調というわけですか。日本は随分景気対策をやりましたね。
Ono: バブル崩壊で資産価値の減少は千数百兆円です。それを補うために行った景気対策は140兆円にすぎません。つまり、少なすぎたというわけです。
Dohner: 日本は金利が上がると、国債の利払いだけで大変な財政負担になるのではないですか。
Ono: 国債を日銀が買い取ればよいのです。そうすれば利子は一旦日銀に払っても国庫に帰ってきます。
Dohner: どうしてそうしないのですか。
Ono: 日銀が勝手に自主規制を作っているのです。国債を一定限度以上持ってはならないという規制で、バーナンケ氏もこれは廃止すべきだと主張しています。
Dohner: あなたの計算で金利上昇はどうですか。クラウディングアウトが起きる恐れはないですか。
Ono: 金利上昇はありますが、3%程度です。むしろ正常に戻るといったらよいでしょう。クラウディングアウトは日本では起きていません。国債が発行されたら、むしろそれは奪い合いになっているというのが現状でしょう。他に買うものがないのです。下落している株を買うわけにはいきません。BIS規制がありますから下手をすると自己資本比率が下がって業務に支障がでます。だから国債を買うしかないのです。
Dohner: 減税と公共投資で財政を拡大するというシミュレーション以外に、減税だけ行うとどうなるかも計算しましたか。
Ono: はい、行いました。
Dohner: 減税はどの減税のシミュレーションをしたのですか。
Ono: 法人税減税、所得税、消費税の3種類です。
Dohner: その効果に違いはありましたか。
Ono: 今日はもって来ませんでしたが、結果は法人税減税が一番効果的で、その次が所得税減税、一番効かないのが消費税減税でした。
Dohner: 私は予算がなくてなかなか日本に行けません。しかし今年度中にはまた日本に行く機会があると思います。そのときまた会えると思います。これらの資料をこれからゆっくり勉強したいと思います。本日はどうもありがとうございました。
Ono: 小泉首相に、日本経済復活の会のシミュレーションをどう思うか質問する手紙を書いたらどうでしょう。彼はかなりショックを受けると思いますよ。
Dohner: (笑)
Moghtader: 本日は、わざわざ説明に来ていただいて有難うございました。とても刺激的な内容で良くわかりました。
戻る
Copyright ©2002 - 日本経済復活の会(Association for Japanese Economic Recovery). All rights reserved.