日本経済復活の会
借金時計 News 没落する日本経済 政府との質疑応答 国会議員等 活動 書籍
参考論文・記事等 論文 連絡先 次回定例会 過去の定例会 リンク ***
会長のブログ シンポジウム2004 ノーベル経済学賞受賞者からの手紙 会長プロフィール
政府との質疑応答
2006年3月2日
衆議院予算委員会
亀井久興氏
 時間がありませんので、簡単に経済財政のことを触れたいと思いますが、内閣府が毎年構造改革に関するいわゆる改革と展望というものを閣議決定の後発表しておられますが、昨年発表の試算ですとね、もし5兆円の所得税増税(減税)をすると行った場合は、景気悪化でデフレは悪化しインフレ率が0.44%下がり、名目GDPは7.1兆円も下がって国・地方の債務のGDP比を1.2%増やしてしまう。こういうことになっております。これは内閣府の試算に基づいているわけでございまして、そしてまた公共投資を5兆円減らした場合には、更に成長は悪化して名目GDPを9兆円も減らしてしまう、こういうことになっている。増税とか歳出削減というものが、景気を悪化させてデフレが進行すると、そういうことが内閣府の試算からも読み取れる。そういうことでございますからその線に沿って、緊縮財政一点張りではなくて、やはり景気回復のほうに重点を置いて税収を増やしていくという積極的な政策が今度の予算の中に盛り込まれていれば、私はなるほどなあと思うんですけど、この内閣府の試算の方向と今度の予算とは全く矛盾するようなことになっております。
 それにもかかわらず、総理はですね、今度、これからはデフレを脱却して経済成長をはかっていくんだという答弁をこの前の予算委員会で発言されている。
 竹中大臣も微妙にこの前の総務委員会で伺っておりましたら似たようなニュアンスの発言をされている。ですから政府が出している予算と内閣府の試算の方向というのが矛盾をしておる。それでまた更に総理や竹中さんの言われていることと、この予算というものが矛盾をしているというように思えますけれどもこの点について与謝野大臣、また竹中大臣、どのように思われますか。
与謝野大臣
 景気が悪いから、需給ギャップがあるから財政出動をして景気をよくしよう、有効需要を財政を通じて発生させようという考え方はもはや古い考え方だという説がございます。私は多分もうそういう時代は去ったんだろうと思っております。
 今回の景気回復も財政の手助けなしの景気回復でございまして、その意味では本物であろうと思っておりまして、平成18年度の経済の見通しは実質で1.9%、インフレ率0.1%を持ちますと名目で2.0%成長するということでございますが、これは財政の手助けなしに成長するということでございますからそれは平成10年以前の景気回復とは全く違う性質の景気回復だと思っております。
与謝野さんは、内閣府のシミュレーションと予算編成との整合性を言わなければならなかったのに、言えなかった。いや、答えられなかったのだろう。しかも「古い」という言葉で批判した。内閣府の試算に関する遠回しの批判とも受け取れます。そう言いながら、
平成18年度の経済の見通しは実質で1.9%、インフレ率0.1%を持ちますと名目で2.0%成長するということでございますが
と述べている。これはまさに『改革と展望』という試算から引用した数字なわけです!彼は改革と展望を擁護したいし、批判もしたい。しかし、両方同時にできない、論理は完全に破綻しているということを、今後我々は徹底して、追求していきたいと思います。
戻る
Copyright ©2002 - 日本経済復活の会(Association for Japanese Economic Recovery). All rights reserved.